3−1−2.治療の選択

治療法は、がんの進行の程度に応じた標準治療を基本として、体の状態、年齢、本人の希望なども含めて総合的に検討し、担当医と患者がともに決めていきます。

図4は、胆道がんの標準治療を示したものです。担当医と治療方針について話し合うときの参考にしてください。胆道がんと診断されたら、手術の可能性について、肝胆膵外科などの胆道の手術を専門とする外科医に相談する必要があります。

(1)手術ができるかどうかについて

胆道がんでは、手術ができるかを判断するとき、一般的に次のような点を考慮します。

・手術に耐えられる体の状態であること

・遠隔転移がないこと

・肝臓の切除が必要な場合は、手術後の肝臓の機能が十分あると予測できること

遠隔転移がなくても、最初にがんができた場所や周囲への広がりなどの状態によっては、手術で切除することが技術的に難しいこともあります。このような場合、手術ができるかどうかの判断が、施設ごと、医師ごとに異なることもあります。診断や治療選択などについて、違う医療機関の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞いてみたいときは、遠慮せずに担当医に相談してみましょう。

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(2)手術ができない場合の治療

手術ができない場合には薬物療法を行います。遠隔転移がない場合には放射線治療を検討することもあります。痛みや症状の緩和などを目的として、薬物療法や放射線治療、胆道ドレナージ(内ろう[胆道ステント]や外ろう)を行う場合もあります。

【12ページ図 図4.胆道がんの治療の選択】

日本肝胆膵外科学会 胆道癌診療ガイドライン作成委員会編「エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン 2019年(改訂第3版)」(医学図書出版)より作成

胆道がんの治療の選択の図

【図終わり】

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