1-2 あなたらしい向き合い方を大切にする

心配をかけたくないという思いから「とにかくつらい」「がんになってしまって悔しい」といった気持ちを話すことをためらう方もいますが、大切な人にこそまずは話してみましょう。家族や親しい友人などにつらい気持ちや不安を吐き出すことで、落ち込んでいる気持ちが少し軽くなるかもしれません。

身近な人に話すことが難しいときには、全国のがん診療連携拠点病院しんりょうれんけいきょてんびょういんに設置されている相談支援センター※のスタッフに話を聞いてもらうのもよいでしょう。電話でも、あるいは直接会って話すこともできます。

※「がん診療連携拠点病院」「相談支援センター」について詳しくは、P13をご参照ください。

また、これまでつらい状況を乗り越えるために行ってきた自分なりの方法を試してみるのもよいでしょう。音楽を聴いたり、絵を描いたり、映画を見たり、本を読んだり、日記を書くなど、リラックスできることをしてみましょう。大切なのは、あなたの気持ちを尊重し、あなたらしい向き合い方を大切にしていくことです。

患者さんの手記 〔1〕
つらいときは、思いっきり泣くこと
突然の告知でした。未来が音を立てて崩れたような衝撃を受けました。今起きていることは全部夢で、あとで「ああ、夢でよかった」と言えるようにと願いました。今思うとあれほどの衝撃には思いっきり泣くだけ泣いて、状況を受け入れる時間が必要だったのかもしれないと思います。

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