3の2.手術(外科治療)

悪性脳腫瘍の手術の原則は、症状を悪化させないように可能な限り腫瘍を摘出することです。神経膠腫のような悪性脳腫瘍は、脳の表面ではなく、脳の内側から発生し、脳の中央部へしみこむように広がっていきます。

脳は部位により役割が決まっており、右前頭葉のようにあまり重要な働きをしていないところに腫瘍ができた場合には、腫瘍を肉眼的に全摘出することが可能です。

一方で、運動野(手足の動きの中枢)や言語野(言葉の中枢)に腫瘍が発生した場合には、腫瘍摘出により症状が悪化することがありますので、無理な全摘出は行いません。腫瘍の完全摘出よりも一部摘出による病理診断を行い、放射線や薬物療法での治療が主になります。