脳は周囲が頭蓋骨に囲まれた閉鎖空間にあるため、その中に腫瘍ができると逃げ場がなく、その結果、頭蓋骨の中の圧力(頭蓋内圧)が高くなります。これによってあらわれる頭痛や吐き気などの症状を、頭蓋内圧充進症状といいます(表2)。
【8ページ表 表2.頭蓋内圧冗進症状の例】
頭蓋内圧亢進症状の一例
【表終わり】
人間の頭蓋内圧はいつも一定ではなく、睡眠中にやや高くなることから、朝起きたときに症状が強くなることがあります。また、腫瘍が大きくなると、脳脊髄液の流れが悪くなり、脳室(脳の中の空洞)が拡大する水頭症を発症して急激な頭痛や意識障害を起こすことがあり、緊急に治療が必要になります。