小児脳腫瘍では、治療成績が向上してきた一方で、成長や時間の経過に伴い、腫瘍そのものや、薬物療法、放射線治療などの治療による影響で、さまざまな合併症が起こることが分かってきています。これを「晩期合併症(晩期障害)」といいます。
治療後30〜40年といった超長期的な影響についてはまだ分からないことが多いものの、脳卒中や認知機能低下(高次脳機能障害)などの晩期合併症が生じる可能性は、年数が経過するほど高まるともいわれています。
腫瘍の種類やこれまでの治療内容によって、通院の頻度や起こりやすい晩期合併症は異なりますが、子どもは治療後も成長を続けていくため、発達段階に応じた、幅広いフォローアップケアが重要です。治療後は一人一人の患者に合わせて、いつ・どこで・どのようにフォローアップケアを行うかといった、長期フォローアップの方針を決めていきます。
小児脳腫瘍の晩期合併症には以下のようなものがあります。