1−1. 脳について

脳は、脳を保護する骨である「頭蓋ずがいこつ」に囲まれた臓器です。頭蓋骨に囲まれた頭蓋内で、髄膜ずいまくに包まれ.脳の周りを流れている「のう脊髄せきずいえき」の中に浮かんでいます(図1)。脳は大脳だいのう小脳しょうのうのうかんに分けることができ、脊髄を加えて中枢神経系と呼ばれます。脳からは、脳神経と呼ばれる12対の末梢神経が直接出ており、脳と脊髄の外側は髄膜でおおわれています。

【2ページ図 図1.頭蓋骨内の構造】

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【図終わり】

大脳は、前頭葉ぜんとうよう側頭葉そくとうよう頭頂葉とうちょうよう後頭葉こうとうようなどに分けられ、大脳以外には小脳、脳幹があります(図2)。それぞれが異なった機能を担っています。(表1)。
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【3ページ図 図2.脳の表面図・断面図】

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【図終わり】

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脳には、神経細胞(ニューロン)と神経膠細胞しんけいこうさいぼう(グリア細胞)があります。神経細胞は、最終的に目・耳・鼻などの感覚器や、内臓、筋肉などとつながっており、体のいろいろな部位の間の情報伝達に重要な役割を果たしています。一方、神経膠細胞の主な役割は、神経細胞や神経線維の固定や保護、栄養の供給や情報伝達に必要な物質を伝達することです。神経膠細胞は増殖能力をもち、遺伝子変異が加わると腫瘍の起源となることがあります。神経膠細胞より発生した腫瘍を神経膠腫しんけいこうしゅ(グリオーマ)と呼びます。
【4ページ表 表1.脳の各部位が担う機能】

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【表終わり】

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