1−4.症状

脳腫瘍の症状には、大きく分けて、頭蓋内圧充進症状ずがいないあつこうしんしょうじょう」と「局所症状(そうしょうじょう)」があり、これらの症状は、脳腫瘍そのものやのうしゅによって生じます。脳浮腫とは、脳のむくみのことであり、脳に発生した腫瘍が大きくなると腫瘍の周りに生じることがあります。頭蓋内圧充進症状や局所症状では、それぞれにさまざまな症状がみられますが(表2.表3)、子どもは症状を上手に表現することができず、発見に時間がかかることがあります。

幼い子どもでは、頭囲(頭の周囲の長さ)が大きくなる、おうする、機嫌が悪くなる、あまり動かなくなるといった症状がみられるほか、体重が増えなくなったり、利き手が変わったりすることもあります。症状によっては、偏頭痛や問題行動、胃腸炎などとの区別が難しい場合もあるため、注意が必要です。

小児脳腫瘍が疑われる場合の診察では、どのような症状があらわれているかを確認して画像検査をすることが重要となるため、以下のような症状がみられるときは、診察や検査の際に医師にしっかり伝えましょう。

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