胚細胞腫瘍の組織型分類を以下に示します(表3)。もっとも頻度が高いのは奇形腫で、細胞の分化(成熟)の程度により成熟型と未熟型に分けられますが、小児ではいずれも良性として扱われます。成熟型は1つの腫瘍の中に神経系成分、脂肪成分、骨や歯の成分、粘膜成分などいろいろな組織成分が集まっているのが特徴です。未熟型では未熟な分化段階の組織が含まれます。
悪性の胚細胞腫瘍には、胎児性がん[精巣]、多胎芽腫、卵黄のう腫瘍、絨毛がんや、未分化胚細胞腫[卵巣]/胚細胞腫(ジャーミノーマ)[中枢神経]/セミノーマ[精巣、縦隔]などがあります。また良性の奇形腫が、時間の経過により悪性化したり、悪性の形で再発したりすることもあります。
【7ページ表 表3.胚細胞腫瘍の組織型分類】
日本小児血液・がん学会編.小児がん診療ガイドライン 2016年版.2016年,金原出版.より転載
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