現在、利用可能な薬剤のうち、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍(ESFT)に対して有効性が高いものは、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、イホスファミド、エトポシド、アクチノマイシンの6剤です。腫瘍が限局している限局例に対しては、これら薬剤の4〜6剤を組み合わせた多剤併用化学療法を行います。
米国の研究グループは、ドキソルビシン+シクロホスファミド+ビンクリスチンとイホスファミド+エトポシドを組み合わせ、3週ごとに交互に治療を行うことにより5年無病生存率(治療開始から5年間経過した時点で再発がなく生存している割合)が69%という結果を報告しています。
国内でも、いくつかの小児がん研究グループの報告があります。2004年から日本ユーイング肉腫研究グループ(JESS:Japan Ewing Sarcoma Study Group)が発足し、参加施設を限定した臨床試験が行われており、米国と同様の研究結果が示されました。
現在では顆粒球コロニー形成刺激因子(G−CSF)を用いて、化学療法の治療間隔を3週間から2週間に縮めることにより、治療効果が向上することが海外で示されたため、国内でもJESS によりその治療の安全性を確認する試験が進行中です。