1-5 家族は第二の患者

がんが珍しくない病気になりつつあるとはいえ、大切なご家族ががんと診断され、「家族ががんであることを、受け入れられない」などの思いを抱いたり、混乱することはごく自然なことです。

そうした中で、「自分がつらくても、本人はもっとつらいのだから、我慢しなくては」と気持ちを抑えてしまう場合も少なくありません。その結果、さまざまな不安や気持ちの落ち込みが続いてしまう方もいます。

【図2 ご家族が体験する、不安や気持ちの落ち込みの例】

不安の例

・心配が頭から離れない。

・考えたくないのに嫌なことを考えてしまう。

・怒りっぽい、いらいらする。

・冷や汗がひどい。

・集中できない。

・眠れない。

・いつも緊張していてリラックスできない。

・そわそわして気持ちが落ちつかない。

気持ちの落ち込みの例

・何をしても楽しめない。

・食欲がない。

・物事が決められない。

・自分を責めてしまう。

・集中できない。

・眠れない。

・やる気が出ない。

・だるい、疲れやすい。

・生きるのが面倒になる。

【図終わり】

一方で、そうしたつらさを抱えながらも、仕事や学校、家族の世話や家事など、あなた自身の日常生活を維持していく必要もあるでしょう。

こうしたことから、ご家族は、がんになったご本人と同じかそれ以上に精神的負担がかかる「第二の患者」ともいわれています。

ご本人をサポートするためにも、あなたが意識的に自分自身をいたわり、必要な支援を求めることは大切です。

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