3-4 利用できる制度や支援の窓口を知る

がんの治療を優先させることは大切ですが、ご本人やあなたの生活を考えることも大切です。治療によっては、ご本人やあなたが仕事を中長期にわたって休んだり、生活の手助けが必要になることがあります。

こうした際に、利用できるさまざまな制度があります。あなたがご自身の生活を大切にしたり、支援を求めたりすることは、患者さんご本人を大切にすることにもつながります。

制度や保険を活用するポイント

(1)主な問い合わせ先を確認しましょう。
まずは、「がん相談支援センター」に相談しましょう。その他には、各医療機関の相談窓口、ソーシャルワーカー、各自治体の相談窓口に尋ねてみることもできます。

(2)医療や介護・療養での支払いの領収書は捨てずに保管しましょう。医療費控除等、さまざまな手続きの際に必要となります。

(3)各制度の対象となる基準には、ご本人のみならずご家族(世帯)の所得や状況が関連するものもあるので、家族全体の状況から活用できる制度がないか調べてみましょう。

(4)新しく治療を始めるときや退院・療養場所を変えるときなど、ご本人の状況が変わったときに、活用できる制度について見直してみましょう。

(5)生命保険、医療保険、がん保険などに入っている場合には、契約内容を確認しましょう。

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図6に、がんになったご本人やご家族が利用できる可能性のある制度の例をお示しします。自分がどのような制度が使えるか知りたい場合は、まずは「がん相談支援センター」に相談することから始めましょう。

【図6 利用可能な制度や対応窓口の例】

相談内容、利用できる制度、対応窓口

どこに相談してよいかわからない。

病気のこと、治療のこと、療養のこと、制度のこと、お金のことなど何でも。

利用できる制度などを一緒に考え、ご紹介します。

「がん相談支援センター」

ご家族のこと 

ご本人を介護するために休職したい。

1、介護休業・介護休暇。

勤務先の人事・労務担当部署

2、介護休業給付金

勤務先所在地管轄のハローワーク

介護が必要となる可能性がある

介護保険制度(訪問介護、訪問看護、通所介護、福祉用具など)

市区町村の介護保険担当窓口、地域包括支援センター

ご本人のこと

休職を検討したい

傷病手当金 

会社担当者、協会けんぽ、健康保険組合など

がんの治療で障害(例:人工肛門など)が残る可能性がある

1、障害年金 

年金事務所、年金相談センター、市区町村の国民年金担当窓口

2、身体障害者手帳

市区町村の障害福祉担当窓口

医療費の負担を軽くしたい 

高額療養費制度 

加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽ・国民健康保険・後期高齢者医療制度)の担当窓口

税金の還付を受けたい

医療費控除

住所地管轄の税務署

お金のこと

生活が苦しい・生活にかかる経済的支援を受けたい

1、生活保護制度

住所地管轄の福祉事務所

2、生活福祉資金貸付制度

市区町村の社会福祉協議会

【図終わり。】

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